週刊新潮の表紙描き22年 成瀬さんがエッセー

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週刊新潮で22年にわたり表紙絵を描き続けている画家、成瀬政博さん(72)=北安曇郡松川村=のエッセー「表紙絵を描きながら、とりあえず」が、白水社から出版された。岡谷市文化会館カノラホール友の会が発行している「Society」で2000年から2009年まで連載した文章を原型に、書き直したり、新たに加筆したりして54編のエッセーをまとめた。

成瀬さんは大阪生まれ。大阪外語大卒業後、美術評論活動を経て30代半ばから画家として活動している。画業のほかに絵本、詩集、エッセー集、写真集などを出版。1989年、安曇野に移住した。1997年から週刊新潮の表紙絵を連載。安曇野にある画廊BANANAMOONを主宰している。

本書では、画集や漫画制作に興味があった少年時代、突然脱サラを決心し絵描き業を始めたころ、5人の子どもや実父、妻の母親と共に大家族で移住した安曇野での出来事、週刊新潮表紙絵を描くことになった経緯、実兄で美術家として著名な横尾忠則さんの思い出などが、ほのぼのとした筆致で書かれている。

成瀬さんの絵画作品は、超現実的な作風で親しまれている。同書では、何気ない出来事や思い出を書き綴っている中に、日常的感覚を越え、次元を自由に行き来しているような成瀬さんの絵の原点を垣間見ることができる。

立ちふさがった壁や困難のさなかで、多くの「とりあえず」があったという。「軽い気分で、とりあえず、と選択したこともあれば、悩みながら、とりあえずと選択した忘れることのできない振る舞いもありました」と振り返る成瀬さんの、来し方や人生観が感じられるエッセー集となった。それぞれの文章には新たにイラストレーションを描き下ろした。

カノラホール友の会は2000年に成瀬さんをインタビューした後、9年間54回の連載を掲載した。

定価は2200円(税別)。各書店で扱っている。

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