伊那市民参加で価値向上を 森林ビジョン策定委が答申

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伊那市の「50年の森林(もり)ビジョン」策定委員会(委員長・植木達人信州大学農学部教授)は19日、6回目の会合を市役所で開き、森林の将来像と市民のかかわり方を定めたビジョンを取りまとめて白鳥孝市長に答申した。「豊かな山(森林)が富と雇用を支える50年後の伊那市」を理念に、森林を生かした循環型産業構造の構築による、健全な森林づくりや人口増につながる雇用創出を図る内容。「住民参加で森林の価値を高めていく」意味合いを込め、「ソーシャル・フォレストリー都市『伊那市』」を目指すとした。

次世代に健全な森林や自然環境、農林業を引き継ぐための方策を示した。自然環境保全や森林生産力向上、林業・木材産業活動の推進など六つの短期(10年間)目標を設定。自然環境保全では、南・中央アルプスや三峰川水系などを「コアゾーン」、その周辺部を「バッファゾーン」に区分けし、市の森林整備計画に反映させて効果的な施業策や伐採規制の構築、市民参加による保全活動を推進するなどとした。

森林の生産力と林業経営の向上では、木材生産機能と公益的機能を果たす区域を分け、効果的な整備を推進。「適地適木」の観点から針広混交林など多様性ある森林づくりを進める。安定したバイオマス供給体制の検討、小中学校での教育、有害鳥獣対策、松くい虫被害対策なども盛り込んだ。

植木委員長は「市独自のソーシャルフォレストを育て、全国のモデルとなる農山村社会をつくってほしい」と期待。白鳥市長は「伊那谷から日本の林業を変えるように、ビジョンをもとに重要施策としてさまざまな取り組みを進めたい」とした。

市は来年度、策定委のメンバーらを中心に推進委員会を設置し、各ゾーンの設定や実行計画の策定、施策の実行に着手するなど、具体的な取り組みを進めていく。

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