2020年1月7日付

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花の種を添えて子どもたちが飛ばした赤い風船が子狐の元に舞い降りる。風船を赤い花だと思い込み、紙袋が付いた紐の先を土の中に埋めて大切に育てる子狐。赤い花がしぼんで落胆するが、やがて…。児童文学作家松谷みよ子さんの「花いっぱいになあれ」は、幸せを運ぶ風船を題材にした作品の一つだ▼伊那市西箕輪の城取幸子さん(69)方に一昨年秋、種が添えられた赤い風船が舞い降りた。岡山市の園児たちが数日前の運動会で大空に飛ばし、うち一つが400キロも離れた地までたどり着いた。話をお伺いした時、この飛行距離にまず驚いた▼翌年春に種をまき、成長記録を取りながら育てた城取さん。夏を越して庭に咲いたのは、子狐の物語と同じ、ヒマワリの大輪だ。手紙と写真を園に送った城取さんの元に、今度は園児からたくさんのお礼の手紙が届く。「小さな種から大きな幸せを頂いた」と感謝した▼園に尋ねると、当日は100個以上を飛ばした。拾われた風船は他にもあったかもしれないが、城取さんからの返信が唯一だった。お礼の手紙は園児の笑顔であふれ、大きな喜びと感謝の気持ちが伝わってきた▼風船の縁を大切にしたいという城取さん。このヒマワリを育てたいという地域の人に種をお裾分けし、伊那の地でたくさん育つ様子を伝えたいと語った。岡山・カナダこども園の園児、卒園児の皆さまへ。物語はまだまだ続くよ。

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