三井親和への関心再び 故小松さんの評伝資料

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評伝「江戸に旋風 三井親和の書」の資料を初公開している「すわまちくらぶ」=諏訪市諏訪1

評伝「江戸に旋風 三井親和の書」の資料を初公開している「すわまちくらぶ」=諏訪市諏訪1

早稲田大学政治経済学部長を歴任した故小松雅雄さんがまとめた、諏訪出身の書家、三井親和(みついしんな)(1700~82年)の評伝「江戸に旋風 三井親和の書」の著書資料が、諏訪市諏訪1のすわまちくらぶで初公開されている。江戸時代を通じて広く流通した銭貨「寛永通宝」の文字になり、諏訪地方でも諏訪大社下社秋宮の大幟などに独特の書体を残す親和の書。小松さんが踏査、研究した数多くの資料は、自らを語ることがなかった親和への関心を再び高めている。

諏訪市出身の小松さんは三井親和と縁者で、あまりにも古里で知られていないことから、親和を顕彰することを自分の責任とし、教壇を退いたころから本格的に各地を取材。文献や資料を整理し、江戸時代の文化的な潮流に考察を加え、2004年84歳の時に発刊した。

親和の書は太字で力強く、書体は篆(てん)書が多い。各地で揮ごうし、染め物にした「親和染め」は江戸で流行、広く愛された。幟や扁額(へんがく)は江戸のちまたにあふれ、1769(明和6)年に鋳造された真鍮銭(しんちゅうせん)は親和の筆。

東京国立博物館所蔵の詩書屏風(びょうぶ)、横綱力士「谷風」の化粧廻しなどがある。諏訪地方にも太字で黒々と染め出された秋宮や八剱神社の大幟、教念寺の大掛け軸は今も大切に所蔵されている。

評伝の発刊に際し、歴代首相を務めた小松さんの門下生らは「専門分野外で著されたことは快挙」とし、「人間として優れた人であるからこそ尊重された親和の書。時を経て明らかになった」と親和への関心を寄せた。

著書資料公開は今年が小松さんの七回忌に当たり、遺族から資料を借りその一端を紹介した。来場した書道史家でNHK大河ドラマのタイトルなどを手掛けた渡部清さんは、「筆力があり、骨格が優れて修練をつまれた書」といい、親和が79歳の時に書いた六曲一双の漢詩に目を止めていた。

展示は19日まで。午前11時~午後4時。水曜休館。19日午後7時から同会場で「三井親和を語る会」を開く。

問い合わせは三村貴金属店隣のすわまちくらぶ(電話0266・55・1029)へ。

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