2020年1月21日付

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よく使う道だが、その存在は知らなかった。箕輪町沢の国道153号バイパス。起点の南側からだとJR飯田線を跨ぐ橋を越え、伊北インター入り口に向かう上り坂だ。近くの箕輪北小学校の児童たちが「湧き水トンネル」と呼ぶ箱型暗渠が道路の下を横切っている▼幅は広いが、高さは1・5メートルほどか。ハーモニカのような横長の断面だ。西側で湧く清らかな水がトンネルを抜けて東へ流れてくる。底の石や藻も美しい。児童の観測だと、水温は年間を通して16度前後。手を浸してみる。この時季だと温かく感じる▼上伊那地方のふるさと学習の発表会で4年1組が、歌と劇を交えて湧き水トンネルを紹介した。かつて熊野神社が鎮座し、一帯には「熊野の森」が広がっていたことを地域学習で知った。湧き水は古地図でも確認。昔から子どもたちの遊び場だったとの話を住民から聞いた▼トンネル設置の経緯にも物語があった。バイパス建設に当たり、湧き水の流れを残してほしいと訴えたのは1990年度の1年生たち。いまの子の親の世代だ。当時の町長にお願いし事業主体の県に願いが届いた▼子を抱えたカニや、羽化したオニヤンマに出合った4年生たち。当時の1年生もここで、命をつなぐ生き物にたくさん出合っていたのだろう。熊野の森が、当時の子たちが「僕たち、私たちに残してくれた宝物」。心がほっこり温かくなる学びの発表だった。

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