浄水装置実証実験へ 茅野の高部配水池で

LINEで送る
Pocket

配水池敷地内に設置された耐塩素性病原生物除去装置=茅野市宮川

NPO法人諏訪圏ものづくり推進機構(諏訪市)は2月、地元企業6社と茅野市水道課などと産学官連携で開発した耐塩素性病原生物除去装置(クリプト対策・膜浄水装置)の長期実証実験を、茅野市宮川の高部配水池で始める。配水池の余剰水を使って装置の性能を確かめるほか、公立諏訪東京理科大(茅野市)などとIoT(モノのインターネット)を使った遠隔監視システムの検証も行う。

茅野市水道課によると、厚生労働省が推奨する水道水のクリプト対策には、膜ろ過方式と紫外線殺菌方式がある。膜ろ過方式は物理的に除去する方法で優位性が高いものの、装置やランニングコストが高価なため、「導入されにくいのが現状」(同課)という。

同装置は、ろ過性能(きめの細かさ)が異なる2種類の膜に水を通し、耐塩素性病原生物(クリプトスポリジウム)をほぼ100パーセント除去する。処理量は1時間当たり2万リットル。低価格の膜を採用し、制御システムの簡易化や装置自体のコンパクト化を図り、安価な装置を実現した。2018年10月に試作機を発表し改良を重ねてきた。

研究開発は、県テクノ財団と同機構、地元企業などでつくる環境・再生可能エネルギー研究組織「SEE研究会」の水処理プロジェクトとして進められている。野村ユニソン(茅野市)が中核企業となり、オーセンアライアンス、オーク製作所、カネトモ(以上、茅野市)エクセル(諏訪市)コーエキ(岡谷市)が連携し、茅野市水道課も参画。公立諏訪東京理科大とエクセル、同機構は遠隔地からの常時監視と故障予測システムの開発も進める。

実証実験は2月12日から始める。高部配水池の敷地内に建屋を建設して浄水装置を設置し、配水池で余った水を装置に通した後、近くの下馬沢川に放流する。今後4~5年はデータを収集し、装置の改良に役立てる方針だ。膜の性能調査認定を行う一般社団法人「膜分離技術振興協会」(東京)の認定を取得した後、全国の自治体や別荘事業者に販売するという。

おすすめ情報

PAGE TOP