2020年2月3日付

LINEで送る
Pocket

「季節を分ける」という意味の節分は、春夏秋冬の四季の変わり目ごとにあり、それぞれ立春、立夏、立秋、立冬の前日に当たる。鬼を追い払う行事が行われるなど、立春前日の節分のみが人々に強く意識されるのは、なぜだろう▼その理由は、旧暦では立春をもって1年の始まり、その前日を年越しとする考え方があったからだという。仏教行事歳時記2月の「節分」(第一法規出版)に、時の境目の節分には大みそか同様、百鬼が夜行する。ゆえに厄払いの豆をまく、と詳しい説明があった▼長い冬ごもりを強いられた昔の雪国の人々にとって春はどれほど待ち遠しかったことか。〈その日からは身も心も放たれる、節を分ける、という思いに、豆を撒くという気前のいいしぐさは、うってつけである〉と美術家の篠田桃紅さんは随筆「節分と豆」に記す▼記録的な暖冬傾向の影響で、日本海側の豪雪地帯でも雪の少ない状態が続いていたが、先月末にまとまった降雪があった。スキー場関係者には「恵みの雪」になったようだ。各季節に特有の恩恵がある。春の待ち遠しさも、寒い冬があってこそ生じる心持ちだろう▼御神渡りの出現に注目が集まる諏訪湖は、昨日も湖面は波打っていた。関連の神事をつかさどる諏訪市の八剱神社は立春前日のきょうで合同観察は区切りにするという。季節の分かれ目が見えにくくなっていると実感する節分の日である。

おすすめ情報

PAGE TOP