豚コレラ感染確認から1年 必要な継続的対策を

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宮田村の養豚場で、県内で初めて家畜伝染病「豚熱=豚コレラ(CSF)」の感染が確認されてから6日で1年となった。全ての豚を殺処分した同養豚場は経営を再開し、昨年8月には出荷再開にこぎ着けた。だが県内では9月に塩尻市の県畜産試験場、高森町の養豚場でもCSFが確認され、野生イノシシへの感染も拡大。県は、全ての養豚場などで予防ワクチン接種などを実施しているが、人や車両、野生動物などによるウイルス侵入のほか、アフリカ豚コレラ(ASF)対応としても継続的な対策が必要となっている。

同村の養豚場では昨年2月6日、愛知県豊田市の養豚場から運び入れた子豚に陽性反応が確認され、食肉処理施設への出荷分を含めて2482頭を殺処分に。その後は国の基準を上回る頻度で豚舎の消毒などを継続し、6月に県から国の防疫指針に基づいた検査を受け、経営再開が認められた。出荷再開後について村産業振興推進室は「飼育豚数は2000頭近くまで回復し、計画通り進んでいる」としている。

一方、県畜産試験場などでも感染が確認されたほか、昨秋には他県でも発生が拡大した。10月に農林水産省による防疫指針の改正を受け、県は県内の養豚場など約90施設で、飼育イノシシを含めてワクチン接種を実施。以降は、新たに生まれたり導入したりした子豚への継続的な接種を続けている。

ただ予防接種しても、全頭に必ずしも抗体ができるわけではない。県家畜防疫対策室によると、抗体ができたのは抽出検査で約95%。同室は「抗体が養豚場で飼育する豚の8割あれば場内でのまん延は防げるとされているが、感染リスクが無くなるわけではない」と防疫対策の必要性を強調。抗体を持たない豚や接種前の子豚などが感染すれば、その養豚場で飼育する豚は全頭殺処分されるという。

野生イノシシの感染も広がっている。県内では昨年7月に木曽郡で見つかった死亡個体から初めて感染を確認し、感染個体数は2月4日までに計168頭に上る。対策として、山林内に経口ワクチンの散布などを実施してきたが、感染個体の発見地点は徐々に拡大しており、追加のワクチン散布などの対応に追われている。

県は今後も、感染対策への予算を確保し、豚の飲み水の消毒装置など防疫設備を設ける事業者に助成して衛生レベルの向上を図る方針だ。同室は「ワクチン接種だけでは防ぎきれない。国外で拡大が続くASFへの予防措置としても衛生対策に努める必要がある」とし、警戒を強めている。

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