15年ぶり押し絵びな飾る 伊那の埋橋さん

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15年ぶりに押し絵びなを蔵から出し、座敷に飾った埋橋さん夫妻

伊那市富県貝沼の農業、埋橋良和さん(77)が、自宅の座敷に押し絵びなを飾った。2005年以来、15年ぶりに蔵から出した押し絵びなは明治、大正期の内裏びなや牛若丸、弁慶など約50体。百人一首の絵札から飛び出してきたようなお姫さまの押し絵もあり、妻の順子さん(75)と華やかな姿を楽しんでいる。

良和さんによると、かつては男児が生まれてもひな人形をもらったといい、飾り出したのは父や祖父の代の押し絵びな。裏側に記録が残されているものもあり、良和さんの父親が初節句のときに親元から贈られていたことや、親戚から贈られていたことが分かる。「伝えてくれる人がいないので、分からないことばかりですが、どういう場面の押し絵なのか、誰から贈られたものかを想像するだけで楽しい」と順子さん。

蔵の中の長持ちに押し絵びなが保管されていることを祖母から聞いていた良和さんが、初めて開いてみたのは昭和の頃で、傷まないように防虫剤を入れ、湿気を取るために炭を入れて保管を続けてきた。

生まれる直前に父親を亡くし、若くして母親も失った良和さんは、親戚の支援を受けながら一人で家を守ってきた。順子さんと結婚し、今は息子夫婦や孫たちと7人で暮らしている。「こうしてにぎやかに暮らせるようになったのも、先祖のおひなさまを大事に残してきたおかげかな」と良和さん。

自身で飾るのは3度目。蔵から出し、飾る作業は息子夫婦の協力を得てもほぼ一日がかりで、年齢的にみても今回が最後という。父や祖父、大切に保管していた母や祖母のことを思いながら、桃の節句の3月3日まで楽しむことにしている。

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