2020年2月18日付

LINEで送る
Pocket

たき火に魅せられたその人の文章を読むにつけ、自然の中で火を囲む時間の豊かさを思う。世界の極地を駆け巡ってきた行動派の作家、椎名誠さんである。どうしてキャンプはいいのかと問われれば、それは「たき火である」と答える▼虚空に躍り上がる炎に、〈果てしなく深く悲しいうつし世の”ナニカ”を感じる〉という椎名さんは、仲間とのキャンプの様子を描いた「あやしい探検隊」シリーズ「焚火酔虎伝」(山と渓谷社)で人生にとって「ハダカ火」は極めて重要であるとまで書いている▼「冬キャンプ」が全国で人気だという。なにもそんな寒い時期にと思うのはインドア派の思考なのか「冬場はもはやオフシーズンではない」と日本オートキャンプ協会は分析する。清浄な空気に触れながらたき火を堪能する。夏場とは違った楽しみ方があるという▼中央アルプス山麓の駒ケ根高原12施設で構成する早太郎温泉事業協同組合が22、29日、「薪火」に着目した日帰りキャンプイベントを駒ケ根市内のキャンプ施設で初めて開く。たき火を囲んで飲食を楽しむほかまき割りや火起こし体験といった催しを計画している▼企画に協力する会社の社長は「薪火は日本にもともとあった文化。火を育てることを通じて自然のサイクルを考える機会にもなれば」と語っている。薪火で心身を暖めた来場者たちに、冬場ならではの地域の魅力も伝えられるといい。

おすすめ情報

PAGE TOP