2020年2月25日付

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あきれた人も多かったのではないか。神戸市のこども家庭センター(児童相談所)が未明に「親から家を追い出された」と助けを求めた小学6年の女子児童を追い返していた問題である。とにかく大事に至らなくてよかった▼児童虐待が毎日のように報じられる昨今。当直業務に当たっていたNPO法人の職員は「緊急性を感じなかった」という。詳しい状況は分からない。少なくとも真夜中に女の子が助けを求めてきた。それを“異常”と感じることはできなかったのか。警察に相談するよう勧めたというが、児相の責任を放棄した対応と言わざるを得ない▼折しも21日には千葉県野田市の小学4年の女子児童が亡くなった虐待事件の父親の裁判員裁判が始まった。ひらがなで書かれた「反省文」が記憶に残る事件である。初公判では女児が大泣きする動画が提出され、裁判員が泣き出して一時休廷する一幕もあったという。裁判では耳をふさぎたくなるような事実が明らかになってくるだろう。自分が裁判員だったら耐えられないかもしれない▼この事件では虐待の可能性を把握しながら適切に対応しなかった児相や自治体の不手際も明らかになった。事件後に設置された検証委員会は「救える命だった」と結論づけた▼神戸市のセンターの一件はこうした教訓が生かされていないことを物語る。亡くなった女児は天国でこのニュースをどう聞いただろうか。

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