イベント中止相次ぐ 新型コロナ感染者確認で

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県内で新型コロナウイルスの感染者が確認されたことを受け、地元のイベント、講座が相次いで中止となっている。発表に向けて何カ月も前から準備を重ねてきた団体のメンバーたちは「苦渋の決断」を強いられている。「多くの人に楽しんでほしい」「感染拡大はあってはならない」。さまざまな思いが交錯する。

今年で25回目を迎える県福祉大学校(諏訪市)卒業記念音楽会(29日、下諏訪総合文化センター)を企画していた同校学生会は25日昼すぎの県の発表を受けて、対応を協議し、感染拡大防止の観点から中止を決めた。保育所や福祉施設での実習期間を終えて戻った1年生が合流し、本番に向けて同日から全学生が参加した練習を始めた矢先だった。同日午前中は少しでも演目の質を高めようと、練習に熱を入れていた。

音楽会の毎年恒例の人気プログラムは保育学科2年生による創作ミュージカル。同校での経験を盛り込んだ物語でテーマは「勇気と思いやり」だった。強がってばかりの人間の子どもと引っ込み思案の子ウサギが主人公でそれぞれの保育園になじめずにいたが、ある時迷子になり、協力して帰り道を探す中で互いに足りなかった優しさと勇気を持つ大切さに気付く物語。学生会役員と学校側が同日、県により示されたイベント開催基準や専門家らのアドバイスを踏まえて中止を決めた際、学生たちは涙をこらえて決定を受け入れたという。

同日夕、学生たちの発案で急きょ、公演予定だったミュージカルが校内で披露された。「お世話になった地域の皆さんに届けたい」。その思いはかなわないが、その分の思いも込めて精いっぱい演じた。目に涙を浮かべながら、会場にたくさんの笑顔を振りまいた。ミュージカル上演は毎年の保育学科2年生の伝統。内堀敏樹校長は「学生たちは立派に伝統を守ってくれた」とたたえた。担当教員の五味理恵さんは「学生たちのこの決断は今後、きっとどこかで生きるはず」と願っていた。

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