開館か休館か、苦しい胸の内 美術館・映画館

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上映の合間、人の手に触れそうな場所をすべて丁寧に消毒する岡谷スカラ座のスタッフ

新型コロナウイルスの感染拡大の懸念から不特定多数が集まるイベントなどの自粛ムードが強まる中、諏訪地方の美術館や映画館などでは感染防止対策を徹底し、来館者に豊かな時間を過ごしてもらおうと、力を尽くしている。一方で「やむを得ず」臨時休館する美術館も出始めた。開館維持か臨時休館か。どちらの関係者も深く悩みながら、早期の収束を祈っている。

岡谷市の映画館「岡谷スカラ座」では、新型コロナウイルスの動向を注視する中で例年の感染予防対策を2月初旬ごろから一層強化した。営業時間を約2時間短縮し、消毒液を置いて来館者に利用を促す。スタッフはマスクを着用し、体調管理には常に気を遣ってきた。換気を定期的に行い、上映の合間に人の手が触れそうな場所は消毒剤を使って1日に何回も拭く。発熱などの症状がある人は入場を控えるよう求める。

それでも松下京一支配人は「多くの人に『映画を楽しんで』とは勧められず悲しい。休館を視野に入れながらの毎日」と苦しい胸の内を明かす。来館者は例年を下回る状況が続き「一日も早い収束を願うばかり」。4日、友人と2人で同館を訪れた女子大学生(19)は「どうしても見たい映画がある。こんな時こそ好きな映画を見て気持ちを切り替えたい。見る側も対策をしっかりして楽しんだらいい」と話した。

県内最大級のガラスミュージアム「SUWAガラスの里」(諏訪市)でも、多くの団体客のキャンセルが続いている。同館は年中無休で開館以来1日も休んだことがなく、「いつでも開いている」ことが諏訪を訪れる観光客にとっての一種の安心材料でもある。冬場は御神渡りなどの特殊要因がないと赤字が続く時期で、3月になると客足が戻り始めるのが例年の傾向だが、今年は一向に好転しないという。消毒や換気、マスクの着用をはじめ「感染予防でできることはすべてやっている」とする岩波尚宏社長は「いつでも開館しているガラスの里を休みにするのはとても大きな決断になる」と語る。

諏訪市原田泰治美術館(同市)は3~14日の臨時休館を決断した。予防策を徹底してきたが、外国人や関東地方からの特に高齢者の入館が圧倒的に多いことを考慮した。4日までに休館に対する問い合わせは寄せられていないという。「臨時休館が結果として良かったのか今は分からない。それでも今が重要な時期だと思う」とする。9日から4月14日までを臨時休館にすると発表したサンリツ服部美術館(同市)も「早く収束してほしい」と願う。

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