こんな時こそ花を 上伊那の生産者が願い込め

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アルストロメリアの選花作業を進める川口隆さん

新型コロナウイルスの影響で全国的に式典の中止や規模の縮小、イベントの自粛が相次ぎ、上伊那地方の花き生産者からも不安の声が上がっている。卒園式や卒業式、送別会、春の彼岸などで3月は繁忙期だが、外出控えも加わって花の需要が低下。価格も下がっている。「影響は必至だが、終息を願いながら前を向いてやるしかない」と生産農家。生活必需品の確保で手いっぱいな家庭の現状を理解しつつ、「こんな時こそ、生活に花を取り入れていただければ」と願う。

上伊那地方が全国一の生産量を誇る切り花のアルストロメリア。6棟・50アールで通年栽培する伊那市東春近の川口隆さん(68)は6日、家族と選花を進めながら「需要期で値が上がる時期。今年は落ちている」と肩を落とした。「観光業や運送業などと同じ。人が動かなくなれば物も動かなくなる」と話す。

同市美篶の春日彰さん(53)は、県内で数少ないチューリップの鉢花生産者だ。2棟のハウスで40種類を育て都市圏の市場に出荷する。出荷最盛期を迎えたが、「卒業式などが流動的で花屋の買い控えが起きている。価格も落ち、じわりと影響が出てきている」と打ち明ける。

チューリップの鉢花を生産する春日彰さん

東日本大震災直後も全国的な自粛ムードの広がりで影響が出た。「今回の自粛は致し方ないこと」と春日さん。自身の鉢花を出品して、みはらしファームで開く予定だったチューリップ祭りも中止になった。ただ、ファーム内の直売所が7、8の両日に1000鉢限定で店頭販売をしてくれることになり、「春を感じることができ、見ると元気が出るチューリップ。こういう時だからこそ、花を楽しんでほしい」と望む。

川口さんは「花の優先順位は食料品や生活、衛生用品より低いが、部屋に玄関に一輪の花があれば心がきっと癒やされます」。早期の終息を一番に望むが、「人混みに出向くなどの危険を回避し、感染症対策や健康管理をしっかりした上で、徐々に普段の生活に近づいていく動きも出てきてほしい」と話している。

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