2016年07月21日付

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「日常茶飯事」という言葉があるように、日本人にとって茶は欠かせない飲み物だ。いまは、お茶と言えばペットボトルを連想する人が多数だろうか。緑茶飲料の消費が伸び、日本茶は海外でも人気らしい。キーワードは「健康」である▼茶の効能はさまざまあるが、眠気覚ましや疲労回復に一服という人もいるだろう。コーヒーなどと同様、茶もカフェインを含んでいる。鎌倉時代に中国から抹茶の飲用法を伝えた禅宗の僧たちは当初、座禅をするときの眠気払いの“妙薬”として飲んでいたという▼禅宗は茶の湯の成立にかかわり、茶も禅も求めるものは一つという「茶禅一味」は茶道の精神を表す言葉である│と、ものの本で読んだ。戦国時代、戦に明け暮れていた武将の間で茶の湯が大流行したというのも興味深い。織田信長も茶道具の名品を収集している▼諏訪市のサンリツ服部美術館で、服部一郎没後30年特別企画展「禅宗と茶の湯の美」が開かれている。わび茶を大成した千利休の師匠として知られる武野紹鴎が所持していた茶器をはじめ、国宝の「白楽茶碗 銘 不二山」など名品の数々が見られる貴重な機会だ▼中でも注目は、初公開となる国宝の水墨画「寒山図」。14世紀の南北朝時代に活躍した画家・可翁が手掛けた。紙の作品は光に弱いため前期(8月2日まで)のみの展示となる。日本の美意識を育んだ禅と茶の文化に触れてみよう。

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