「新型コロナ」 商業、観光業に危機感

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上諏訪温泉のホテル玄関に置かれているアルコール消毒液=諏訪市のホテル鷺乃湯

全国的な新型コロナウイルスの感染拡大が諏訪地域の経済活動を直撃し、商業や観光業に大きな影響を及ぼしつつある。人混みを回避するため行事を中止したり、外出を控えたりと人の動きが減る中、商業関係者からは「お客さんは9割減」との切実な声が出ている。感染の終息が見通せないことも先行きに不安感を与えている。

「店を始めて20年でこんなにお客さんが少ないのは初めて」。飲食店「飲食処ばんや」(諏訪市大手)の運営会社の社長を務める蓑島龍雄さんは危機感を募らせる。

飲食店にとって3月は事業所の送別会が多い書き入れ時。金、土曜日は予約でほぼいっぱいだったが、9割以上キャンセルになった。アルバイト従業員は5~17日に休暇を取ってもらうことにし、会社役員や従業員の計5人で調理や接客などすべてに対応している。食品ロスを少なくしようと刺し身料理のメニューも減らした。蓑島社長は「18日以降は元通りに営業したいと考えているが、お客さんの動きがどうなるのか心配」と気をもむ。

カネジョウ(岡谷市)は「お客さんの数は9割減。少ないどころではなく、ほぼゼロ」と嘆く。消費者が外出を控えているとともに、「会合や旅行が中止・延期になり、新しい洋服を買う理由がなくなった」とみる。サプライチェーン(部品供給網)の混乱による影響も危惧。衣料品の圧倒的な生産拠点である中国で生産がストップしたことで、「衣料品業界では5月ごろから店頭から商品が消え、夏には倒産のピークを迎えるのでは」と話す。

観光業も危機感は同じだ。特に県内感染者が確認され、小中高校などの一斉臨時休校が要請された2月下旬以降、宿泊キャンセルが増えた。茅野市のあるホテル関係者は「従業員を休ませているが、この状態が続けばいつまで持ちこたえられるか分からない」。原村ではペンションを含む宿泊施設でキャンセルが相次いでいる。

茅野市内のスキー場は1日ごろから客足が減り始めたが、もともと客が減るシーズンでもあり影響は比較的少ないという。北八ケ岳ロープウェイではロープウェイ車内を換気して運行し、ウイルスを不活化するオゾン発生装置を導入している。

上諏訪温泉(諏訪市)の宿泊施設が加盟する諏訪湖温泉旅館組合の伊東克幸理事長は、雇用のほか食材を納入する業者にも影響が出ることを懸念する。「終わりが見えない不安がある。終息宣言が早く出てほしい。観光活性化へ終息後の次の一手に知恵を出す必要がある」と話した。

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