忌避剤散布が終了 霧ケ峰のシカ対策

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ニッコウキスゲなどの高山植物をニホンジカの食害から守る手法として県が2016年から4年間、諏訪市の霧ケ峰で取り組んだシカが嫌う忌避剤の散布実験は、効果が限定的で「電気柵のような効果は期待できなかった」とし、今年度で終了することを決めた。防鹿電気柵は来年度、車山肩地区西側を約400メートル延長して総延長を10・5キロとし、設置面積を広げる。

実験は県自然保護課と環境保全研究所が中心となり、車山肩近くの試験地で5~7月に実施。忌避剤散布エリアと非散布エリアを設けて食害の違いを調べた。使用した忌避剤は卵の粉末を由来とし、人体や環境への影響はほとんどないという。忌避剤散布したニッコウキスゲも多く食べられており、実験結果を「ニッコウキスゲに対するシカの嗜好性を下げる効果はあったが、ほかの草を選ぶまでには至らなかった」とまとめた。霧ケ峰のシカの密度の高さが期待された効果に結び付かなかった要因とした。

忌避剤の効果が確認されれば、電気柵の設置、撤去の手間が省け、景観を損ねない対策にもなるとして期待されたが、引き続き柵が有効な手段となる。電気柵と八島ケ原湿原の鉄鋼柵を含めた総延長は14・5キロ。設置は5月上旬から中旬の予定で、常設の八島ケ原湿原の鉄鋼柵を除き、それぞれの設置主体が冬までに撤去する。結果を踏まえ、ニホンジカの個体数が一定程度減少するまでは電気柵の設置、撤去作業が毎年行われる。

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