2020年03月12日

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NHK大河ドラマ「麒麟がくる」が高視聴率を維持し、順調な滑り出しを見せていると聞く。戦国最大のミステリー「本能寺の変」の首謀者でありながら、これまで脚光を浴びることの少なかった戦国武将・明智光秀。その実像がどう描かれるか注目を集めている▼主君織田信長を討った「反逆者」のイメージが定着している光秀。「歴史は勝者がつくる」と言われるが、豊臣秀吉との戦いに敗れた光秀については資料が少なく、通説となっている歴史も勝者に都合よく改ざんされた可能性が指摘されている▼「本能寺の変」についてはその目的や黒幕についても議論が熱い。秀吉主犯説や朝廷陰謀説などさまざまな解釈がある。強力な統率力から理想の上司像に名前が挙がる信長だが、松永久秀や荒木村重といった有能な家臣にもよく裏切られた人物。現代人が抱くほどのカリスマ性はなかったのかもしれない▼歴史は謎が多いから面白い。視聴者が求めるものはステレオタイプのイメージを超えたドラマなのだろう。光秀の前半生は謎であり、物語には虚構も含まれるが、敗者の視点に立ったドラマは新鮮に映る▼勝者の話は誇張されやすい。一方向から見た歴史だけが本質とは限らない。謀反人として知られる人物にもそれぞれが信じる正義があったのだろう。敗者の歴史が受け入れられる風潮を歓迎しつつ、一ファンとしてドラマを楽しみたい。

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