IoTで諏訪湖の水質観測 産学官で連携

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IoT(モノのインターネット)技術を活用し、諏訪地方の課題解決を目指す産学官連携プロジェクトの第1弾として諏訪湖の水質を観測する取り組みが16日、始まった。3年目を迎え、プロジェクトに参画する地元企業や信州大学、諏訪湖漁業協同組合の関係者が諏訪市役所で会見を開き、昨年のデータを参照して「正確な観測ができている」と報告した。今年はデータのノイズ解消に努め、ひとまず来年ごろを目安に湖の環境の月ごとの傾向把握に役立てたい方針だ。

プロジェクトは「スワ・スマート・ソサエティ(SSS)5・0」と呼ばれ、金型成型の旭(同市)を中心に県内外の企業や信大、同漁協で構成し、諏訪市がコーディネーターを務める。観測器を独自に開発し、岸から約2キロの湖心部に設置した。1年目は8~12月、2年目は3~12月に水温、溶存酸素量(DO)、濁り具合(濁度)を常時、リアルタイムで測定。1時間ごとに公開している。2年目からは水深0・5メートル、3メートル、5メートルの3層での観測に成功した。

2年目は、太陽光パネルとバッテリーをつなぐソーラーコントローラが故障したほか、通信デバイスにも異変が見つかり、機器を交換した。同じく湖心で定期観測する信大理学部湖沼高地教育研究センター(諏訪市)の観測値と照らし合わせ、データの正確性を検証。観測値自体は信大の値とほぼ一致した。部分的にノイズがあったが、理学部の宮原裕一教授は「許容範囲。(観測器は)正常に作動している」とした。

今年も昨年同様の観測器を使い、同じ位置で行う。この日は観測器を設置し観測を始める予定だったが、悪天候のため湖底に沈める重しが安定せずに断念。来週以降に再度設置する。

同漁協の武居薫組合長は2016年のワカサギの大量死に触れ、「リアルタイムの観測によってできるだけ早く湖の状態が把握できる」と期待。旭の増澤久臣社長は「観測は可能な限り続けることで産業や観光などに生かしたい。将来的には諏訪湖に限らず、いろんな展開をしてデータを集めたい」と話した。

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