2020年3月20日付

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誰もいない無人のスタンドに響くボールの着弾音。ボールをキャッチャーがミットで捕る音が異常に大きく聞こえる。先ごろまで無観客で行われたプロ野球オープン戦。その様子がテレビ画面に映し出された▼通常は、両チームの応援団がにぎやかに応援歌やヒッティングマーチを演奏し、観客のメガホンが揺れ動く。歓喜や落胆の声や拍手が入り交じり、球場は選手たちとの一体感が増していく。無観客試合は、全く光景が異なる。最初は新鮮だったが、徐々に物寂しさが押し寄せた▼言わずと知れた新型コロナウイルス感染拡大の影響である。ほかのスポーツも軒並み中止や延期。無人のスタンドを背にプレーする競技もある。無観客試合のテレビを見ていても、球場の臨場感が画面から伝わってこないことがよく分かった▼声援もない静寂の中で行われる試合と、トランペットの演奏に合わせて選手の応援歌が鳴り響き、ファンが大声援を送る試合。この落差を選手たちはどう感じ取ったであろうか。見る側からすれば、多くの観客の声援が響いてこそのプロ野球だと痛感した▼通常、球場は選手の声も打ち消される喧騒に包まれる。その中で研ぎ澄まされた打球への反応を見せてゴロやフライを処理する守備陣。無観客試合を見た後だけに、プロ選手の高い能力に改めて舌を巻いた。延期された今季の開幕日がいつになるのか。待ち遠しい日々が続く。

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