古文書を人工知能で解読 駒ケ根の歴史

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国際マイクロ写真工業社の社員から撮影方法を学ぶ「まほろばの里」の関係者

散策を楽しみながら地域の歴史をたどるフットパスの愛好家らでつくる駒ケ根市の「まほろばの里研究会」(中島和彦会長)は、市内の寺社や旧家が保管している古文書や絵図など歴史的資料のデジタル保存に乗り出した。人工知能(AI)を使ったくずし字などの解読にも取り組む。貴重な資料を保存、活用することで地域の歴史をひも解き、文化振興に貢献するとともに、防災などにも貢献したい考え。将来的には、写真撮影などの作業を高齢者や障がい者、「ひきこもり」の状態にある若者らに委託することによる雇用創出も目指す。

同会によると、土地改良などで歴史的建造物や史跡が元の場所から移されたことがあるが、古文書の劣化や解読できる人が少ないため経緯が分からなくなる恐れがあるという。こうした事例や地域の歴史、成り立ちを後世に正しく受け継ぎたいと、デジタル保存と解読に取り組むことにした。

記録は、文書や絵図など記録物保存の国際マイクロ写真工業社(東京都・森松義喬社長)の協力と県の地域発元気づくり支援金を受け、市内に機器を持ち込み専用の作業スペースを用意。国立国会図書館蔵書のデジタル化などの実績がある同社が、特殊機器の扱い方や作業ノウハウといった独自の技術を提供する。

同会は資料のデジタル化を進め、整理した上で可能なものは公開したい考え。誰でも自由に画面上で資料を閲覧でき、フットパスの拠点にもなる「文書館」を中心市街地に整備する構想もある。古文書などから過去の災害記録などを掘り起こし、防災資料として活用する研究も進める。

これまでに市内の大御食神社に保存されている古文書や旧家に残されていた過去帳など、約100枚を撮影。今後も官民の関係団体と連携し、幅広くデジタル化を進めていく。

「専門業者の協力で実現した、歴史的資料の保存と雇用創出を目指す画期的な取り組み。多くの人に地域の魅力を知り、楽しんでもらうきっかけにしたい」と中島会長。国際マイクロ写真工業社の森松社長も「プロの技術を提供することでさまざまな人が経済活動に携わり、『一億総活躍社会』の実現に向けたモデル事業になればうれしい」と話している。

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