7月豪雨の記憶後世に 「伝承之碑」周辺美化

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2006年7月の豪雨災害で7人が亡くなった岡谷市湊の花岡区で、地元住民有志でつくる「山崩(やまんだれ)の会」が災害の記憶を今に伝える「災害伝承之碑」周辺の美化活動を続けている。活動を通じて災害の記憶を後世に伝えるのが目的だ。災害から10年を迎えたのを機に今月、伝承碑や会の思いを伝える看板を設置した。会員を増やし、記憶を活動とともに次世代につなげていきたい考えだ。

伝承碑は豪雨災害で流された巨石を使い、県が2011年に設置した。周辺は区役員らが草刈りをしていたが、夏場は作業が追いつかないこともあり、同会が手弁当で草を刈り、花を植えている。代表の花岡宏行さん(70)は「碑の周辺が草ぼうぼうでは、やがて碑の存在が災害の記憶とともに忘れ去られてしまう」と話す。看板は高さ約50センチ、横約60センチの樹脂製で「災害を忘れない 後世に伝えよう」などと書かれている。

7月豪雨で同区を襲った土石流で、花岡さんは自宅敷地の横にある小田井沢の水路が大きな音を立てて水を勢い良く吹き上げている状況から上流の様子を見に行き、土石流に遭遇した。薄暗い中、「黒く大きなものが音を立て、根こそぎさらった木々を上下左右に揺らしながら迫ってきた」と当時の恐怖を振り返る。必死に下流に向かい、道路横の壁面に沿って逃げていたところ、壁面の先にあった道路脇の畑に倒れこんで難を逃れた。つま先のわずか先を大きな岩が流れていったという。

7人が犠牲となった土石流を目の当たりにした花岡さんは「生き残った者として記憶をつないでいくのが使命」と語り、活動の継続を図るため、新会員の入会を求めている。会員数は現在、50~70代の15人。「若い世代にも積極的に参加してもらいたい。美化活動を続けることが災害を風化させないことにつながると思う」と話す。次回は8月中旬頃に活動する予定。参加希望者は花岡さん(電話0266・23・0606)へ。

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