2020年3月25日付

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昨年今ごろの本紙をめくると、紙面を小中学校の卒業式が飾っている。堂々と卒業証書を受け取る姿。声を一つにした合唱。なんとなく寂しげで複雑な面持ちの退場。思い出や感謝の気持ちを胸に、学びやを巣立った卒業生の様子を紹介している▼今年の卒業式は形や規模でいえば様相が異なった。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、時間を短縮したり出席者を制限したりせざるを得なかったのだ。急きょ始まった臨時休校で、卒業生は級友や先生らと過ごす最後の貴重な時間さえ奪われたというのに▼でも、本紙が伝えた記事と写真を見た限りは安心した。多くのシーンで見られたマスク着用を除けば、卒業生の表情は例年と同じように感じられたから。教室で友と晴れやかな笑顔を浮かべる場面もあった▼送り出す側も旅立つ側も、卒業への思いは昨年も今年も何ら変わりなかったと思う。突然の臨時休校から式まで間がなく、慌ただしく落ち着かなかっただろうけれど、準備に力を注いで心温かな式が実現したことがうかがえた▼自分ではいかんともし難いことが多々あるが、嘆き、文句を言うばかりでは始まらない。制約下でも工夫する余地はあり、そうすることの方がはるかに建設的だ。「こうした中でも知恵を絞れば新しいものが生み出せることを覚えていてほしい」。卒業生が屋外で式歌を合唱した箕輪中の校長先生の言葉が印象に残る。

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