移動式鶏舎を初導入 八ケ岳中央農業実践大学校

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原村にある八ケ岳中央農業実践大学校は2020年度から、トレーラー型の移動式鶏舎を初めて導入する。移動式鶏舎でニワトリを運び、草地に放牧することで「アニマルウェルフェア(動物福祉)」を向上させ、従来より栄養価の高い鶏肉や卵を作り出すシステムの構築を目指す。

同大学校によると、トレーラー型の移動式鶏舎はヨーロッパでは普及してきているが、日本での導入は初めてだろうとする。徳島県内の業者がドイツの専門会社から輸入し、同大学校に寄贈するという。当初は5月ごろの輸入を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で輸入日は先に伸びる可能性があるという。

トレーラーは全長約12メートル、幅約3メートル、高さ約3.5メートル。内部は3段になっていて、約450羽を飼育予定。車輪が付き、トラクターでけん引することで、牧草地を移動しながら放牧ができるという。

同大学校の敷地約4.8ヘクタールのほぼ正方形の放牧地を4区画に分け、1区画をさらに4エリアに分割。1エリア(約3000平方メートル)に移動式鶏舎を1カ月滞在させ、4カ月で1区画の草地を巡る計画。柵はビニール製のネットフェンスを設置することで外敵からニワトリを守る。

同大学校畜産部長の佐藤衆介さん(70)=東北大名誉教授=によると、ニワトリにはものをつつく性質があり、1カ所で平飼いを続けると仲間をつついて危害を加えるデメリットがあるという。「放牧をすると、つつき(の欲求)が満たせるため、アニマルウェルフェアが格段に向上する。生の草を食べることで、ビタミンA、E、カロテノイドなどが豊富な卵や鶏肉になる。日光浴でビタミンD濃度も高まる」と、放牧によるさまざまなメリットに期待する。

移動式鶏舎による放牧と並行して、平飼い放牧飼育、ケージ(巣箱や止まり木あり)飼育も行い、飼育方法ごとの家畜の行動や体温、栄養、衛生環境、ストレスなどを総合的に比較。21年度には幸福度を測る独自の評価法とアニマルウェルフェアの飼育システムを確立し、日本の養鶏農家への普及を目指す。

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