2016年07月23日付

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その土地の活気の有る無しは、とかく町なかや道の混雑ぶり、人出の多さで量られがちだが、そこに住む人の「やる気」で見るなら、富士見町の人たちはもっとふるさと自慢をしてもいいのではないかと思う▼夕刻、若者たちが商工会館に集まってくる。夏祭りに向けた仕込みが夜ごと続く。メンバーの多くは町の消防団員でもあるから、夜明け前に操法の訓練をして昼間は家業、夕方も再び訓練、日が落ちたら祭りの準備―と心身とも厳しいスケジュールをこなしている▼「結構きついっす」と顔をしかめつつ、町の一大行事を切り盛りしている責任感に気が張っている。かつては各地で地元の青年団が地域行事を仕切っていたが、富士見で久しぶりに若者の勢いを見た。彼らを見守る地域の人たちの姿勢も頼もしい。若手の自主性を尊重しながらいざとなれば支援を惜しまない▼こうしたムードは町全体にある。一部の人が動き出すと周囲の住民から行政、学校までも一つ返事で力を寄せる。高原地帯の厳しい環境下で力を合わせて生きてきたこの土地ならではの人間性だろうか。協調性と行動力は他とひと味違う▼この町で、都会暮らしから戻った若者たちからは同じ言葉が聞かれる。「富士見はいつでも温かく受け入れてくれる。ここには自分の居場所がある」。地方では若者の流出、人口減が深刻な課題。今こそこうした地域の魅力に胸を張りたい。

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