備えは今 豪雨災害10年[下]箕輪町北小河内

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セーフコミュニティを推進し、防災先進地として他地域の視察も受け入れる箕輪町北小河内区=同区公民館

セーフコミュニティを推進し、防災先進地として他地域の視察も受け入れる箕輪町北小河内区=同区公民館

天竜川河岸が決壊し、住宅地を土石流が襲った箕輪町。長く、災害のない町―といわれてきた中で「あの規模の災害は起こるものと認識が改められた」と土石流被害を受けた当時、北小河内区長だった丸山全二さん(76)は振り返る。

被災が契機となって町は2012年5月12日、全国で4番目、全国の町村、長野県内では初めてWHO(世界保健機関)協働センターの国際認証「セーフコミュニティ」を取得。安全安心に暮らせるまちづくりに向け、立場や性別、年齢の枠を超えた取り組みを始めた。

町セーフコミュニティ推進協議会の向山静雄事務局長によると「当初は長野県警察から防犯中心の認証取得を勧められていた」。だが、身近な場所での災害発生が住民の危機感を強め、結果的に早期認証取得につながったという。

町の呼び掛けに、町内では唯一、民家などが土石流被害を受けた北小河内区をはじめ、これまでに富田、福与、八乙女、中原の5区がセーフコミュニティ推進協議会を設置。長岡区が現在、発足準備をしている状況だ。

このうち北小河内区の推進協は自主防災と交通安全、生活環境、家庭安全の4班で構成。自主防災班は、防災台帳の更新や避難者用名札、防災チェックシート、備品、企業との避難場所協定などを整備。発災時の迅速な安否確認のための転出入移動調査や防災マップ作り、情報伝達のための連絡網、各世代に対応した避難所設置に向け、区内防災体制を見直してきた。

取り組みは一般住民にも広がり「以前より年1回行う防災訓練への参加者の幅が広がり、人数も増えた」(丸山さん)。同区は現在、毎月18日を「防災の日」と定め朝夕には防災行政無線で「万が一への備え」を呼び掛けている。

丸山さんは「災害はいつ起こるかわからない。それだけに自分の身は自分で守る、区民は互いに助け合う―の気持ちは今後も衰えることなく、醸成してほしい」と意識面での発展を願っている。

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