宮田高原でライチョウの食草植栽へ 環境省

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環境省は、中央アルプスで国特別天然記念物の絶滅危惧種ニホンライチョウの生息地を復活させる事業の一環で、宮田村の宮田高原でライチョウの食草となる高山植物を植栽する取り組みを進めている。今年度、野生のライチョウを中アに運んで放鳥し、夜間はケージに入れて捕食動物から保護するため、ケージ内で食べる餌を高原で育てる方針。

環境省は乗鞍岳で6月の産卵期に誕生したひなと母鳥の3家族約20羽を保護し、生存率が高まる8月上旬に中アに運ぶ計画。中アに1羽だけ生息しているとみられる雌には、動物園などで飼育する個体が産んだ卵を温めさせてふ化を目指す。

昨年に行った野生の卵の移植事業では、誕生したひなが全滅し、捕食などが原因とされた。そのため、ケージ保護を導入する。

餌は、中アで生息している高山植物のオンタデとムカゴトラノオの2種類を候補に挙げている。どちらも栄養価が高く、ひなが育つのに適しているという。だが、現地で採取し続けると環境を変化させるリスクがあるため、標高1650メートルの宮田高原で栽培してケージに運ぶ。

宮田高原では7月以降、北安曇郡白馬村の白馬五竜高山植物園からオンタデとムカゴトラノオを2、3株、試験的に移植する。生息環境に適しているか調べ、秋に高原に約10平方メートルの畑を作り、中ア駒ケ岳で採ったオンタデとムカゴトラノオの種をまいて栽培する予定。

3月10日には環境省信越自然環境事務所野生生物課希少生物係長の福田真さんや同植物園責任者の坪井勇人さんら3人が、村職員の案内で雪の残る宮田高原を視察した。

福田さんは「植物は山ごとに遺伝子が異なり、駒ケ岳の種で株を増やしていきたい。植物関係者や宮田村と連携して取り組みを進めたい」と話す。村は「昔は駒ケ岳にたくさんいた。最初は人の手を入れるが、ライチョウが自然に順応してライチョウの力で繁殖してほしい」と事業の成功を期待する。

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