台風19号半年 諏訪の被災リンゴ農家再生へ

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リンゴ畑再生へ向け、長男の大吾さんと作業する笠原果樹園の笠原清一さん=10日、箕輪町中箕輪

県内に大きな被害をもたらした昨年10月の台風19号災害から12日で半年がたった。諏訪地方は甚大な被害を免れたが、諏訪市小和田のリンゴ農園など12軒でつくる小和田果樹組合によると、加盟する農園8軒は箕輪町に畑を持っており、強風で打撃を受けた。各農家は苦境に負けず再生に向けて懸命に作業に当たっている。

このうち「サンふじ」など10種類以上のリンゴを栽培、販売する笠原果樹園(同市渋崎)は、箕輪町に約140アールのリンゴ畑を持つ。台風19号でコンテナ約1000箱分、重さにして約15トンが落果。笠原清一さん(62)と長男で現在は園主の大吾さん(35)ら家族で営むが、清一さんは「足の踏み場もなく地面に実が落ちていた。悲しいなんてもんじゃなかった」と振り返る。

台風が接近した翌日の13日、諏訪市内の畑は無事だったが、仲間から送られた箕輪町の畑の写真を見てがくぜんとした。台風被害はこれまでもあるが、「全然比にならなかった」。駆け付ける間、通り道の他のリンゴ畑を見て不安が募ったことを今でも思い出すという。

箕輪町には中箕輪一の宮を中心にリンゴ畑5枚を持つ。すべてが被害を受け、7~9割が落果した畑も。4、5年前に購入した約30アールの畑には400本弱の木が植わり、7割の実が落ちた。これまでなかなか実を付けなかったが、試行錯誤を重ね、昨年は例年の倍の収量になると豊作を期待した矢先の出来事だった。

「今までやってきたことは何だったんだろう」と強いショックを受けたが、消防団の仲間が手伝ってくれて傷付いた実を拾い集めた。清一さんは「お客さんの注文を断ることが一番つらかった」と話す。

現在もなぎ倒された木は残り、そのまま剪定も行う。残った木のうちどの程度が正常に生育するか分からないという。災害に負けないよう針金と支柱で木を支える他、添え木を金属製パイプに変え、地中約1メートルに植え込むなどできる限りの対策も手掛ける。

大吾さんは「また強風が来たら心が折れそうだが、めげずにおいしいリンゴを届けたい」。清一さんは「今年は台風がなく、豊作になってくれれば」と願っていた。

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