2020年4月17日付

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感染症の拡大に右往左往しているうちに、周辺の桜が満開になっていた。花冷えの風は冷たく、先日は高原地帯を雪が覆い、八ケ岳には雪形が再び姿を現した▼この雪形をめぐり地域の間でちょっとした話題になった。弊紙での掲載に読者から「下りは金魚ではなく鯉」との指摘をいただいた。実は地域によって、または人によって「金魚」だったり「鯉」だったりする。地元の人に聞いてもまちまちの答えが返ってくる▼その読者もやはり郷土の自然に造詣も愛着も深く、指摘の背景には「近頃、行政ですら地元の山の名前を間違えたり、ガイドが誤った情報で案内したりして情報が正確さを欠き、子どもたちに正しく伝えられていない」との危機感があった。「誤った情報が多すぎる」と▼見方、受け取り方は千差万別。雪形の呼称の多様性に言及しなかった筆の至らなさを反省しつつ、近頃の感染症拡大をめぐって飛び交う無数の情報、風評、デマの深刻さも思う。言葉ひとつで誰かの人生を壊し、働き口を壊してしまう恐れもある▼八ケ岳を「おらが山」と歩く佐久吉文さん(88)は「2匹の金魚」と親しみを込める。山麓ではこの雪形が完全に姿を消したら本格的な野良仕事の始まりだそうだ。ちまたでは今、「自然を相手に体を使う農作業が一番」との声も聞く。安全な食は多くの人の安心にもつながる。こんな時こそ頑張って、お百姓さん。

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