2020年4月20日付

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戦時下に暮らす人々の心情はこのようなものなのだろうかと想像する。もちろん、程度や質が異なることは承知しているつもりだが、終わりが全く見通せない不安感や「いつか自分も」という恐れが続くありようは相通じるのではないだろうか▼これから一体どうなっていくのかと落ち着かないし、行動の自由が完全に拘束されているわけではないものの、国や地方自治体の長から不要不急の外出・移動の自粛が要請されていることもあって、この何ともいえない圧迫感が拭えない。フランス大統領が「われわれは戦争状態にある」と宣言した新型コロナウイルス禍▼ただし、この「戦争」は、国家、地域、民族の争いや内戦、つまり人と人の衝突ではない。敵は人ではなく、地球上のすべての人が共通の敵に立ち向かっているということを再認識したい▼SF小説「宇宙戦争」が頭に浮かぶ。物語は、地球に襲来した火星人の圧倒的な科学力、武器の前に人類はなすすべがなく、侵略されそうになるが…。火星人をウイルスと見れば、われわれが置かれた現在の状況に重なる。今こそ世界が連帯しなければならない時ではないだろうか▼新型コロナとの戦いが、国や地域、民族などの枠を超えて協力、連携する新たな関係を生み出すきっかけになればと思う。逆に対立や偏見、差別を引き起こし、エスカレートさせてしまったら悲しいことだ。敵は人ではない。

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