上川護岸工事で濁水 ワカサギに影響懸念

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濁水の原因となった河川工事。写真の右側(左岸)の護岸の復旧作業のため、川の流れを新しく設けた河道(右岸側)に変えたところ、濁水が発生し、影響は諏訪湖まで及んだという=20日

茅野市玉川の粟沢橋近くの上川で行われている左岸の護岸工事で、作業現場を確保するために水の流れを仮設の河道に変える作業をしていた17日、土砂が流出し諏訪湖までの一帯が濁ったことが20日分かった。上川河口部では産卵のため遡上するワカサギの採卵事業が行われており、これからが最盛期。県から事前協議がなかった諏訪湖漁業協同組合は「ワカサギの遡上に悪影響を及ぼしかねない」として県側に採卵期間中の工事中断を申し入れた。県側は受け入れる考えだ。

濁水は17日午前8時30分から10時に掛けて行った河道を変える作業中に発生。下流では午後になって濁りを確認した。仲間から連絡を受けた諏訪市渋崎の釣り具店主、小松厚さんは17日午後5時ごろ、店近くの橋で川の水の色がまっ茶色になっていることを確認。「増水時以外の濁水は流水の勢いが小さいため、土が河床にとどまりやすい。魚の生息環境に大きな影響が出る」と語る。

諏訪湖漁協の武居薫組合長によると、ワカサギの遡上は4月中旬から5月の連休明けごろまでに掛けてピークを迎える。河床を掘削すると、濁水と魚が嫌う臭いが出てしまい、遡上しない個体が出る可能性がある。護岸工事はこれまで横河川や砥川などでも行われているが、「従来は採卵事業に配慮し、遡上の時期は濁水が出るような工事は避けてくれた。事前協議がないままこのような工事が行われたのは残念」とし、17日中に県側に抗議した。

諏訪湖産のワカサギ卵は全国各地の湖沼に出荷され、各地の遊漁や観光を支えている。武居組合長は「卵の出荷は始まったばかり。今回の濁水が遡上に影響しないといいが」と懸念を口にした。

工事は昨年10月の台風19号に伴う増水で破損した護岸の復旧を目的に実施。護岸付近は常に流水があるため、反対側の岸辺の平地部を上流部からの水が入らないように土のうを積んだ上で掘削し、仮設河道の完成後に土のうを撤去した。県諏訪建設事務所整備課は「諏訪湖漁協に対しては配慮が足りなかったことは申し訳なかったと思う」と語った。同課によると、護岸工事は国の補助を受けて実施する予定だったが、採択されなかったため、県単独事業に切り替え、昨年末に予算が付いた。秋の台風シーズンまでに間に合わせるには「工期にあまり余裕はない」という。

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