2020年4月26日付

LINEで送る
Pocket

ライチョウとコアラは似ているところがあるという記事が、大町山岳博物館の広報誌の最新号に掲載されていた。何かと距離を置くことが推奨される昨今、まるで似ていないものが意外と近い関係にあるという話に心が躍った▼共通点は消化の仕組み。ライチョウは約30センチの盲腸を二つ一組で持つ。この盲腸にいる多くの細菌が働いて、高山植物の毒素を分解しているのだそうだ。毒のあるユーカリの葉をもっぱら食べることで知られるコアラと盲腸の形や働きがよく似ているのだという▼同博物館がライチョウの盲腸を研究しているのは飼育下のライチョウを野生に復帰させる取り組みの一環だという。中央アルプスでのライチョウ繁殖にも役立つのだろうかと夢が膨らむ▼コアラといえばオーストラリアの大規模森林火災で犠牲になったことも記憶に新しい。この火災が大規模化したのは気候変動による高温と乾燥が主因との指摘がある。ライチョウも地球温暖化で生息環境が狭まることが危惧されている。嫌な共通点まで見えてしまった▼一方で、中アのふもとの駒ケ根工業高校の生徒と赤穂小学校の児童が、コアラの助けになりたいと豪州に支援金を贈った記事も思い出された。支援金が託された須坂市動物園のホームページによると支援金は動物の救助やリハビリ施設の運営に活用されるという。ライチョウもコアラも共に救われる未来に期待したい。

おすすめ情報

PAGE TOP