改善効果もコスト大きく 諏訪湖のナノバブル実験

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県水大気環境課は、昨夏に諏訪湖の貧酸素対策として実施した、超微細気泡「ナノバブル」の酸素を溶かした水を湖底に送り込み、水中と底質の改善を図る手法の検証結果をまとめた。同課は「改善効果はあったが、範囲は局所的で、装置を動かし続けるためのコストは大きく、湖全体の対策としては難しい」とした。

検証は昨年8月21日から9月6日まで、諏訪市豊田の湖岸から約1キロの地点に台船を浮かべて実施した。諏訪湖は気温が上昇する夏場に表面と湖底の水温の差ができ、水温が低く比重が大きい湖底の水は水温が高い表面と混ざりにくくなる。湖底に沈んだ動物の死がいなどの有機物がバクテリアによって無機物に分解される際に酸素が消費される。検証した16日間の湖底は貧酸素状態だった。

検証では、水深約4・5メートルの水域から水をくみ上げ、ナノバブル発生装置を通過させて超微細気泡の酸素を溶かして湖底近くの水深約5メートルの地点から噴き出させるシステムを発電機を使って24時間稼働させ続けた。噴き出し口から同心円状に3、5、7メートル離れた計13地点と13メートル離れた比較対象地点に溶存酸素測定器を設置し、ナノバブルの効果を調べた。

装置の直下や3メートル離れた地点では、溶存酸素量が増えた日もあったが、変化がない日も確認された。台船から離れるほど貧酸素状態の改善効果は下がった。有機物の量を示す指標はすべての測定地点で改善効果が見られた。発電機を動かす燃料費など運用に必要な費用は16日間で約360万円だった。

同課は「湖底に酸素を送り込む手法は局所的には使えるが、湖全体への対策という点では、膨大な数の台船を湖上に浮かべ、発電のための大量の燃料が必要となることからコスト面や環境、景観の面からも現実的ではない」としている。

検証結果は3月に開催予定の諏訪湖創生ビジョン推進会議で報告する方針だったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、会員を集めず、書面会議としたことから報告を見送った。感染症の終息後に報告の場を諏訪地方で設けたい考えだが、時期は未定。県は2019年度の当初予算で検証業務などの関連事業費として1165万円を計上した。

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