2016年07月27日付

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地震で動物園からライオンが逃げ出した―。熊本地震の発生直後にツイッターを通じて流されたデマだった。熊本市動植物園には100件以上の問い合わせがあり、職員が対応に追われたという▼被害届を受け、デマを流して園の業務を妨害したとして、偽計業務妨害の疑いで神奈川県の20歳の会社員の男が逮捕された。悪ふざけだったと容疑を認めているという。地震の混乱の中で「もしかしたら」と思ってしまった人もいただろう。許し難い行為である▼一方でこの事件ではデマを流した本人のほかに、これに便乗して面白半分に情報を拡散し、デマを増幅させた人たちも少なからずいたとみられる。この人たちに罪はないのだろうか。釈然としない▼本来なら助け合わなければいけない状況なのに不安をあおって面白がる。ネット社会の危うさを感じる事件だった。セーフティネット総研専務理事の南澤信之さんは小紙連載の「ネット社会の落とし穴」で「現行の法制では完全に撲滅することは難しい」とした上で、だからこそわれわれ一人ひとりが歯止めになることを呼び掛ける▼情報があふれる現代。真偽不明の情報は鵜呑みにしないリテラシーと善悪をわきまえたモラルが求められる。誰でもアクセスできるネット上では子どもだって”加害者”になりかねない。これから夏休み。ネット利用について親子でじっくり話し合うのもいいのではないか。

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