大学生続く自宅待機 日程延期で今後見通せず

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大学から実家へ送られてきたばかりの教材に目を通す宮下水稀さん=伊那市内

新型コロナウイルスの感染対策で全国各地の大学が休校となり、学生は自宅待機を強いられている。子どもは実家に帰省したが、大学近くに借りたアパートの家賃や学費の支払いは保護者が担い、家計にも重い負担がのしかかる。今春大学生になったばかりの男女2人に話を聞いた。

実家のテーブルにパソコンを置き、大学からのメールに添付された授業の資料を見て大学へ返送するためのレポートを書く毎日。「大学へ入学した感じがまったくないし、実家でする勉強は正直なところあまり身が入りません」

伊那市出身の宮下水稀さん(18)は昨秋、同志社大学社会学部(京都市)に自己推薦で合格。4月からの大学生活を夢見ていた。母校の伊那北高校では部活のフェンシングに打ち込み、3年生の時には主将として全国高校総体団体戦でベスト8に輝いた。

「小学1年で始めたフェンシングを続けたくて競技の盛んな今の大学を選びました。大学の入学式は中止でしたがフェンシングの練習はあるだろうと期待したものの、結局それもなくなりました」

4月上旬、感染が拡大する関西圏を避けて伊那市の実家へ戻った。大学近くに借りたアパートの家賃は一カ月5万8000円。両親が負担する。大学は7月末までオンラインによる授業。続いて夏休みに入る。現況では実際に大学へ行くのは9月からだ。

宮下さんには気がかりなことがある。それは高校時代の後輩たち。フェンシングは高校入学と同時に始める生徒が多い。宮下さんは実力を身に付けてもらおうと後輩の指導に熱心だった。「今年全国高校総体が中止と聞いてやるせないし、後輩がかわいそうで仕方ない」と思いを寄せる。

一方、伊那市出身の小林聖矢さん(18)=伊那北高校卒業=は明治大学理工学部(神奈川県)に合格した。小林さんも入学式は中止になり、実家へ戻った。アパートは家主の厚意で5月からの契約になったものの、今後は家賃の支払いが始まる。払ってくれる家族に「申し訳なく思う」。

帰郷後、同じ立場にある地元の友人と「運動をしよう」と一時は一緒にジョギングをしたが、小中学校の休校に伴い、万一の感染拡大を懸念しそれもやめた。

オンライン授業は大型連休明けから始まる計画。「外国語は中国語を専攻したが、テキストだけ見ても何にも分からない。大学に行かないので怠け癖が付きそうで怖い」という。6月中旬から通学するように指示はあるが「もう何度も日程は延期になった。今は何があっても仕方ない」と割り切った。

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