辰野旧文化財「沢入のヤマナシ」 苗木を植栽

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「沢入のヤマナシ」の切り株に後継木を植える平出山生産森林組合のメンバーら

「沢入のヤマナシ」の切り株に後継木を植える平出山生産森林組合のメンバーら

辰野町平出の平出山生産森林組合(赤羽一敏組合長)は27日、同区上平出の沢入山でヤマナシの苗木を植栽した。昨年秋に樹勢の衰えから惜しまれつつ伐採された、旧町指定文化財「沢入のヤマナシ」の種を採って育てた後継木。古里の山のシンボルだった大樹をよみがえらせ、後世へ伝えていこう―と願いを込め、親木の切り株や周辺に苗木を植えた。

「沢入のヤマナシ」は沢入山のふもとから谷沿いを登った道沿いにあった。樹齢約200年とされ、目通り周囲約2メートル、高さ約17メートル。樹形の整った立ち姿が住民に親しまれ、山仕事をする人の集合場所でもあった。1981年に町の文化財指定を受けた。

しかし近年、空洞化が顕著となり、倒木の危険性も指摘されたため、昨年11月に所有者の同組合が伐採した。伐採に先立って後継木を育てる案が持ち上がり、種を採取。緑化工学が専門の元信州大学教授山寺喜成さん=沢底=に託し、苗木に育ててもらった。
 苗木は、地中にしっかりと根を張る「直根型」で、9カ月ほどで高さ50~60センチにまで成長。親木のほか、株分けされた町内2カ所の木からも種を採って育て、合わせて28本の苗木をそろえた。

作業には同組合メンバーや区役員、町職員らが参加し、現地に残った親木の切り株のうろをはじめ、周囲にも穴を掘って丁寧に苗木を植えた。シカの食害対策で、苗木を囲むように木の柵も設置した。

参加者は手を動かしながら「小さいころは山遊び、大人になったら山仕事の大切な目印だった」「立派で美しい木。みんな好きだった」と懐かしんだ。親木は伐採後、活用可能な部分が平出コミュニティセンターの傘立てになるなど、住民を見守っている。

赤羽組合長(78)は「山寺さんや地元の協力で、ヤマナシ”2世”が根を下ろした。力を合わせて守り育て、次の世代へ引き継ぎたい」と話していた。

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