2020年5月19日付

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青い胴体の働き者。愛嬌のある顔と意思を持った機関車とまで言えばほとんどの人があのキャラクターを思い浮かべるだろう。原作の出版から75周年を迎えた「きかんしゃトーマス」。本やアニメを通じて今なお世界中の子どもたちに愛されている▼作品は英国のウィルバート・オードリー牧師が1945年に創刊した「汽車のえほん」が原作。架空の島ソドー島を舞台に擬人化された個性豊かな鉄道車両とそれに関わる人たちが人間味あふれるお話を繰り広げる▼現在アニメは180以上の国や地域で放送され、日本国内での放送も30年目。母国の英国では75周年を記念したアニメの特別編にヘンリー王子が出演したとの報道もある。作品が持つ影響力の大きさをうかがい知ることができる▼ステイホームが叫ばれる中、わが家でも改めてアニメを見返す機会に恵まれた。今では子どももあまり関心を示さなくなったテレビの録画だが、内容は秀逸だった。日常の運行業務を通じて友情の大切さを訴えたり、見えや嫉妬に起因するさまざまな失敗談から自分らしく生きることの素晴らしさを説教じみず伝えている▼戦闘や恋愛といったアニメ映えする演出は皆無。敷かれたレールを走るだけの人生をさげすむ風潮もある昨今だが、自分に与えられた役割を理解し、個々の違いを尊重し合う登場キャラクターたちの姿に共感を覚えるおじさんは私だけだろうか。

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