「ワカサギ大量死」低酸素水、湖全体に拡大か

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ワカサギの死骸のそばで湖水を採取し、簡易水質検査をする県の担当者。有害物質などは検出されなかった=27日午前11時、下諏訪町東赤砂

ワカサギの死骸のそばで湖水を採取し、簡易水質検査をする県の担当者。有害物質などは検出されなかった=27日午前11時、下諏訪町東赤砂

諏訪湖のワカサギ大量死問題で、湖内の水中酸素濃度の状況がこの10日余りの間に急変していることが27日、諏訪湖漁協が独自に実施する定点観測で分かった。15日時点では湖底部だけが貧酸素化する「従来の夏の悪い姿」だったが、27日時点では上層~下層の数値が平準化し、総体的に低酸素状態になっていることが浮き彫りになった。

「これではワカサギの居場所がない」

27日、ベテラン漁師の1人は測定データを見ながらため息をついた。一般的に魚類の生息には1リットル当たり3ミリグラム以上の溶存酸素量が必要とされる。「(本来酸素量が多いはずの)湖面付近で3ミリグラム台とは…。上にも真ん中にも逃げられない。かつての『すす水現象』は部分的に起き、対処のしようがあったのに」と嘆いた。湖中心部以外の地点でも同様の傾向が見られた。

県内を含む関東甲信地方は梅雨明けしていないが、諏訪の降水量は平年より少なめで推移する。漁協の藤森貫治組合長は、少雨傾向によって流入河川からの酸素供給が例年よりなされず、上層・中層の溶存酸素量も平年より少なかったと推測。そこに風による上下混合が起こり、全体が低酸素状態になったとみる。

湖底貧酸素を解消したり緩和したりするとして、夏場に吹く強い風は本来は歓迎されるが、今年の状況では上下混合が裏目に出て、魚の生息環境を悪化させた形だ。

漁業資源であるほか、地域の観光資源でもある諏訪湖のワカサギ。関係者が恐れているのが事態の長期化だ。藤森組合長は「春先に平年並みの放流をしたが、大量死が続けば資源に影響を及ぼす可能性がある」と懸念。まとまった雨で湖の状態が改善することを望むとともに、「こうした事態は今後も起こりうるだろう。貧酸素対策は待ったなしだ。調査だけでなく、対策を実行してほしい」と注文した。

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