水田大区画化へ舵切り 諏訪市豊田、湖南地区

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水田の畔から大型機械による田植えの作業を見守る飯田理事長(左から2人目)と飯田辰治第一工区長(左)

県と諏訪市の諏訪平土地改良区(飯田政信理事長)が同市豊田、湖南地区内の水田の大区画化を目指す事業を進めている。国の補助を活用し、複数の水田を集約して1区画当たりの面積を広げ、大型機械の性能を十分に生かせる水田環境を整えたい考えだ。農家の高齢化や若者の職業選択肢の拡大などで農業の担い手は減少し、大規模化している。省力化や効率性を高め、将来にわたって稲作が続けられる環境を整える必要性が高まっている。

今月上旬、諏訪地方では田植え作業が本格的に始まっていた。諏訪市豊田文出の約1ヘクタールの水田では、山田ライスセンター(同市豊田)の大型の田植え機が稼働。1度に8列、苗を植える性能があり、1時間ほどで植え付けた。この水田は複数の地主が存在するが、許可を得て境界の意味もあるあぜを取り除き、広大な1枚の水田にした。境はGPS(全地球測位システム)を活用して把握する。作業を見守った飯田理事長(69)=同市豊田=は「大型機械で植えるとやっぱり早い」と話した。

山田ライスセンターの山田宏代表(46)=同市豊田=によると、1ヘクタール(100アール)の水田1枚と10アールの水田10枚を比較すると、同じ面積でありながら1ヘクタール1枚だと、作業時間は10アール10枚の半分ほどで済み、収穫量は10俵(1俵60キロ)増えるという。あぜを越えて水田間を移動する時間や機械で植えるのが難しいあぜ際の面積を減らせるためだ。

諏訪平土地改良区が活用を予定する国の補助金「農業競争力強化農地整備事業」は、区画整理、農業用水路、同排水路や農道の整備、耕土の追加などに活用できる。採択には20ヘクタールの農地を対象とし、担い手が耕作する農地面積を集積し、農地の位置を集約して飛び地を減らすなどの要件を満たす必要がある。

事業区域内の農地の集積、担い手への集約を一定の基準以上に高めると、事業完了後に地元負担相当額が全額交付されるため、多くの賛同が得られれば、実質的には地元負担なしで整備工事が進められる。事業は県が実施主体となる。

事業計画では農地の集約を四つに分け、1工区(文出)・2工区(小川)、3工区(有賀)、4工区(湖南)の順に進めていく方針。2年前から地元説明会を重ね、飯田理事長によると「地元の理解はおおむね得られてきた」という。

諏訪市豊田、湖南は諏訪地方でも有数の稲作地帯だが、1950年代後半から60年代前半にかけて整備された農業関連施設は老朽化が進んでいる。農業のIT化や無人トラクターの開発が進み、「農地や農業基盤も時代に対応した整備が不可欠」と飯田理事長。「効率的な農業でこの土地の稲作を守っていく。先輩方の努力のおかげで地域の稲作はこれまで維持されてきたが、将来を見据えると、抜本的な整備が必要な時期にきていると思う」と話した。

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