上伊那地方の12中学校全て 西駒登山を中止

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上伊那地方の12中学校は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2年生が中央アルプスの主峰・駒ケ岳(標高2956メートル)を目指す恒例の西駒登山を中止する。上伊那の全14校のうち、南アルプスに登る伊那市の高遠中、長谷中を除く12校2230人が1泊2日や日帰りで登山を計画していた。多くの学校は登山先を変更したり、予備登山を本登山にしたりするなどして学校登山を実施し、地元の山への学びを深める予定。

当初の計画では、7月13日の中川中と南箕輪中の2校を振り出しに、11校が7月中に実施。夏休み明けの8月28日に辰野中が登る予定だった。4月末、事務局を務める宮田中は中央アルプス観光協会やNPO法人南信州山岳ガイド協会、上伊那広域消防本部などと安全面について話し合い、各校に情報を伝えて判断を委ねた。

12校全校は、山小屋やロープウエー、往復の移動バスなどでの密集による感染リスクが避けられないことを理由に西駒登山を中止。▽登山途中に生徒らに新型コロナウイルスの症状が発生した場合に対応できない▽引率する医師や看護師の確保が難しい▽授業時間の確保-などを理由に挙げる学校もあった。

箕輪中は「中止にせざるを得ないことはとても切ない」とする。1913(大正2)年、同校の前身である中箕輪尋常高等小学校の生徒を含む11人が遭難事故で犠牲に。同校では毎年、駒ケ岳の遭難記念碑に黙とうと校歌をささげてきた。「総合的に考えると本校の学校規模では(今年の)実施は不可能」と判断したが、「学校登山を、自立した生徒を育てる中核行事に位置付けている。今後も大切にしたい」と話している。

今年は中アが国定公園化され、麓の宮田中は「ふるさとの山に登る貴重な体験だが、今年は自分の目、足で確かめることができない。伝統ある登山が中止になるのは前例がなく、非常に残念」と話す。ふるさとの山を学ぶ機会として、7月10日に地元の宮田高原に行き先を変え、日帰りで登山を実施する予定。箕輪中や飯島中、中川中、駒ケ根市赤穂中なども地元の山への登山を検討している。

一方、高遠中と長谷中も南ア・仙丈ケ岳への登山を中止。高遠中は7月14日に地元の月蔵山に登る予備登山を本登山として実施する。

各校での西駒登山の中止が決まり、宝剣山荘と天狗荘、頂上山荘の3山荘を運営する宮田観光開発への打撃は大きい。7月から本格的に営業を開始する予定だが、上伊那を中心に県内外の11校1650人がキャンセル。「1000万円ほどの減収になる。覚悟はしていたが、厳しい」と話す。

伊那市は新型コロナウイルス対策として、今季、中アの西駒山荘や南アのこもれび山荘など4山荘を休業するとした。

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