諏訪地方小中学校オンライン学習導入分かれる

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2年生向けの動画を撮影する諏訪西中学校英語科の井出雄太教諭

新型コロナウイルス感染症の影響で続いていた臨時休校が今月末で終了する。期間中、諏訪地方の小中学校では、オンライン学習を導入した学校と見送った学校があった。導入校では「動画配信で予習が進んでいる単元は再開後、授業のペースを早められる」とみる。一方、見送った学校は生徒の家庭のインターネット環境の差などを理由に挙げる。感染の第2波で再び休校となることも可能性としてあり、検討が急がれる。

諏訪市諏訪西中学校は動画投稿サイトを使い、英語や理科など4教科で生徒に向けて約40本の動画を製作し、配信した。ネット環境が整っていない生徒にはDVDを配布。動画は1本10分程度。製作には1時間ほどかかる。アンケートでは休校中に8割以上の生徒が視聴していた。

同校で最初に配信を始めた伏見之孝教諭によると、授業が進んでいない分は行事の中止や長期休みの日数調整などを考慮しても足りないが、動画配信した単元を通常よりも早いペースで授業を進めれば「何とか年度内に授業内容を終わらせることができそう」と話す。

伊那市高遠中学校は動画サイトに加え、授業支援システムやビデオ会議システムも併用した。動画で出題し、文章で表した各自の回答を画面に映して解き方を共有。問題を解くだけでなく、ほかの生徒の考え方を知り、説明力を養う学習を展開した。生徒からは「休校中も学習が進むので良かった」との声が聞かれた。

導入しなかった学校によると、オンライン学習を行うためには、生徒の家庭のインターネット環境が十分かどうかの確認が必要になり、不十分な場合にどうするかという課題があるとする。視聴の程度にも差が出てしまい、「費用対効果は小さい」との見解も。教職員の技術不足を理由にオンライン学習を見送った学校もあった。

茅野市や岡谷市の教育委員会は休校中、行政チャンネルや動画投稿サイトを使い、児童、生徒が自宅で学ぶ機会を提供した。

一方、諏訪市教育委員会ではこうした対応を取らなかった。同教委によると、諏訪市は4月6~10日を登校日とし、再び休校とした後も4月中旬から分散登校を開始。「対面指導の機会をできるだけ増やした。オンラインでなくてもプリントなどで一定の指導はできた」とする。

ただ、休校がさらに長期化したり、第2波で再休校となったりした場合を仮定すると、「オンライン学習は必要だろう」(同教委)との見方。国の補助金を活用して市内小中学校の全児童生徒分のタブレット型パソコンを整備する方針。各家庭のインターネット環境の把握も進める。教員の知識や技術の差を埋める研修も必要となる。

後藤慎二教育次長は「タブレット端末を使う便利さと危険性を子どもたちに正しく伝えることも必要。導入にはICT(情報通信技術)を使える環境と知識の両方を整える必要がある」と話した。

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