蓼科感じる押し花 ブライダル装花の柿澤さん

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蓼科のアトリエで押し花の箸置きやしおりを作る柿澤美香さん。生花装飾との両立へ一歩を踏み出した

茅野市北山のフラワーデザイナーで、結婚式会場の装花や花嫁のブーケ制作を手掛ける柿澤美香さんが、押し花のインテリアや小物づくりに力を注いでいる。例年は5月から繁忙期に入るが、式の延期やキャンセルが相次いだ今年は状況が一変。空白期間に新たな挑戦を決意し、似て非なる生花装飾と押し花の両立へ一歩を踏み出した。近くオンラインショップも開設。蓼科や八ケ岳山麓の草花を用いた商品で「この地の魅力も届けたい」と話す。

東京のフラワーデザインスクールを修了し、生花店勤務を経て、デザイナーとして歩み始めた。撮影用のブーケを制作し、雑誌やブライダル専門誌の表紙を飾った。「自然豊かで花材が身近にある」と2008年に帰郷。茅野市内にアトリエを構えた。

髪飾りやブーケ、会場装花…。花で900組以上の門出を祝福してきた。高原は 5 月からガーデンウエディングの季節。いつもの仕事が自分のミス以外でなくなった。コロナ禍の新郎新婦や式場関係者の心中を察し、心を痛めた。

「自分がやりたいこと、好きなこと。いまは試す時期かな」。悩む日々を経て、気持ちを切り替えた。尊敬する先生に技術を伝授され、3年前から取り組む押し花。立体の生花装飾とは「別世界」だが、ブーケ制作などの端材を使えることにも魅力を感じていた。「生花は枯れてしまうけれど、押し花は半永久的。枯れるのを見るのは悲しいんです」。花も背中を押してくれているような気がした。

子育てしながら、草花を摘んでは押しての毎日だ。しおりやヘアゴム、ビオラやクローバーを入れた涼しげな箸置きも作った。自身のブランド「C23」に加え、押し花専用の「C.dot(シードット)」を立ち上げた。生活に寄り添う商品を増やした。

小物関係はこれまでも地域や近隣のリゾート施設などで販売してきた。その地で購入してもらう土産品をオンラインで販売することは控えてきたが、やはり試す時期だと考えを改めた。人と人、都市と地方が直接つながりにくくなっている現状の中、「押し花を通じて全国に蓼科を届けたい」との思いを強くする。

ハーブの一種チャイブの花言葉「柔軟性」を強く意識するようになった。「ウエディングの形もこれから変わるかもしれない。順応、適応していく姿勢が私自身、必要だと感じています」

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