2020年06月01日付

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携帯電話でメールを打ち込んでいる時、わがことながら驚いた経験がある。文面が大胆なのだ。ふと読み返すと、「こんなことまで書いていたのか」▼手軽で便利な携帯という道具の操作には、心の奥にしまい込んでいる感情をさらけ出させる作用があるのだろうか。面と向かった対話や、言葉を考えながら選ぶ手紙では、こうはならない▼女子プロレスラーの死が波紋を広げている。出演番組での言動をきっかけに、インターネット交流サイト(SNS)上で誹謗中傷されていたと報道された。今後、攻撃的な書き込みや悪意ある投稿を規制する動きが強まりそうという▼デジタルはアナログよりはるかに多く速く鮮明に情報をやりとりできる。一方で、拙い知識からするとデジタルは0と1の組み合わせだから0か1しかなく、曖昧な部分はない。人間は善かれあしかれ曖昧さが持ち味のはずなのに、自分の感情のみを優先させ、相手の気持ちや事情に思いを巡らせる柔軟性や寛容さを失わせる”デジタルの魔力”に捕らわれてしまうのだろうか▼SNSが世界中に浸透している大きな要因は、情報発信やコミュニケーションが容易にできることと想像する。それを支える一つが匿名にあると思うが、規制の強化は自由さの制限につながる。SNSに限らず、自由は責任を伴ってこそ。自分たちの首を絞めないように、匿名であっても発言には責任が必要だ。

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