2020年6月13日付

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マスク不足が深刻だった春先。ドラッグストアなどの店先には開店前から長い行列ができた。最後尾に並んでみると店員がここまでは商品がないと言う。その人のせいではないのに謝る姿は気の毒に見えた▼その頃、こうした店員が客に怒られたり、暴言を吐かれたりして疲弊しているという報道を何度か目にした。顧客から受ける嫌がらせ「カスタマーハラスメント」と呼ばれる。威圧的な言動や理不尽なクレーム、土下座の強要などが該当する▼民間企業だけでなく、公務員の職場でも問題化しているという。1日に施行された新たな人事院規則ではパワハラ対策と合わせてカスハラへの対応方法が初めて示されたと報道された。同様の動きは地方公務員にも広まる見通しという。度を越した要求で応対した職員から相談があった場合は上司が同席するなど組織として対応するよう求めている▼ささいなことで怒りを爆発させる、いわゆるキレる人が増えているように感じる。多くの場合、普通の市民であろう。それが突如、悪質なクレーマーに豹変する。不寛容社会と言われる昨今。ぎすぎすした世相を反映しているのだろうか▼インターネットで調べてみると、○○ハラと呼ばれる行為は30以上もある。本人にその意図がなくても、相手が不快に感じればハラスメントになる。誰もが加害者になりうる。大切なのは他者への思いやりと想像力ではないか。

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