窮地の障がい者支援事業所 コロナ禍で受注減少

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新型コロナウイルスの感染拡大を受け、障がい者の働く場を提供する事業所が苦境に立たされている。障がい者作業所などでつくる全国組織「きょうされん」によると、就労継続支援B型事業所の約半数で収入が減少。利用者の生活が成り立たなくなる恐れがあり、障がい者就労支援に関する再検討が必要だ、と識者は指摘する。

きょうされんは5月、会員事業所などを対象にアンケート調査を実施。メールやファクスなどを通じて219のB型事業所から回答を得た。緊急事態宣言が発令された4月の収入が前年同期と比べて減った、と答えたのは約48%。平均減収額は41万3891円に上った。

収益悪化の背景にあるのは、新型コロナの影響でイベントの中止や取引先企業の活動停滞などが相次ぐ現状だ。B型事業所が製造・販売する商品の受注は急減。作業量の落ち込みは利用者が受け取る工賃の低下につながる。

活動を縮小した企業を支援する制度としては、従業員に支払う休業手当の一部を国が負担する「雇用調整助成金」がある。コロナ禍で活用の動きは広がりを見せているが、雇用契約を結ばないB型事業所は利用者を休ませても対象にならない。

そのため、障がい者就労支援施設が加入する「全国社会就労センター協議会」は5月25日、利用者が少なくとも前年並みの収入を得られるよう臨時の財政支援を厚生労働省に要望。政府は12日に成立した今年度の第2次補正予算で、1事業所に対して最大50万円を支給する事業に16億円を計上した。障がい者の働く場を維持し、工賃の確保を下支えする方向だ。

障がい者の就労支援に詳しい埼玉県立大の朝日雅也教授は「最低賃金にも届かないB型事業所の工賃は、新型コロナの流行以前から課題だった。国は資金の支給という一時的な措置にとどめず、この機会に障がい者就労の在り方を見直すべきだ」と話している。

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