後山分校の生活は 大昔調査会が聞き取り取材

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聞き取り取材に応じる右から小林伸二さん、藤原源太郎さん、藤原幸衛さん

諏訪地域の歴史資料の整理や活用に取り組む一般社団法人「大昔調査会」(高見俊樹理事長)は17日、2018年に解体撤去された諏訪市の旧湖南小学校後山分校関係者の聞き取り取材を同市後山の構造改造センターで行った。分校に通った60代と80代の男性3人にインタビューし、分校での生活や恩師への思いなどを動画資料で記録した。

同会は校舎撤去を惜しむ声を受け、県建築士会諏訪支部と調査団を編成し、解体前に現地調査や地元のお別れ会を取材。昨年5月に調査報告書「後山分校が残したもの」を刊行した。聞き取り取材は新たに動画資料として保存する目的で企画。地元で農業を営む藤原源太郎さん(82)、藤原幸衛さん(66)、小林伸二さん(66)が協力した。

最年長の源太郎さんは、1949(昭和24)年1月に起きた法隆寺の火災を伝える先生の泣き顔を思い出し、「古いものは大事だと学んだ」と振り返った。小林さんは「(山間部への赴任は)先生は嫌だったと思う。だから一生懸命教わった」と語り、3人で感謝の言葉を繰り返した。

近くを流れる川の水車の力で校舎の柱を製材したり、浪花節の公演を開いたり、農繁期に分校を保育所にしたりした当時の暮らしが語られた。55(昭和30)年に体操場が完成して「はだしでとんで歩けるようになった」ことも、うれしそうに話していた。

後山分校は江戸時代の寺子屋が起源。68(昭和43)年3月に児童数減少で廃校となり、校舎は地元の資料類保管や都会の子どもの合宿、映画撮影に利用された。校舎の返還を受けた同市は老朽化と安全確保を理由に2018年秋に解体した。

高見理事長は「調査がぎりぎり間に合い、分校の記録が取れたのはよかった。お話を聞くと、いろいろな暮らし、教育への情熱があったことが分かる」と話した。動画と報告書は高見理事長が非常勤講師を務める大妻女子大学の授業でも活用され、博物館学芸員を目指す学生たちが生涯学習論を学ぶという。

報告書は1600円。諏訪地域の主要書店で販売している。通信販売の希望は諏訪書店(電話0266・52・5340)へ。

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