2020年6月21日付

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皇族が身の回りの品に用いる「お印」。上皇后美智子さまは白樺を選ばれる。上皇さまと出会った思い出の地・軽井沢にちなむ。県内で4年前の6月に開かれた全国植樹祭でも、皇后美智子さまはシラカバの種をお手播き箱に播かれた▼言わずと知れた長野県の県木。茅野、富士見、立科、佐久穂なども市や町の木に制定する。白く滑らかな木肌。レンゲツツジの朱色と共演する初夏は格別の美しさだ。爽やかな信州の象徴、「お印」のような樹種である▼立科町でかごのお店を営む渡部ゆかりさんが、「信州白樺クラフト製作所」を立ち上げた。高原のシラカバ林は自生と植樹の木が密生し過ぎて1本1本が細く、手を入れる必要が出てきている。間伐材や倒木の有効活用が、元気に育つ環境整備への推進力になると考えた▼町の補助を受けて始動し、シラカバ樹皮細工の広がりを目指していく。シラカバの寿命は短いが「樹皮は長持ちし、水や油にも強いんです」。樹皮をテープ状にして編んだ小物やかごは温かみにあふれる。北欧では生活の中にシラカバ製品が溶け込む▼立科町を中心に編み手を募り、地元の材と人の手で立科発の特産品・土産品にしたいと渡部さん。雇用創出や景観向上への事業でもある。県を代表する樹種だからこそ利活用し、信州の暮らしの中に溶け込んでいってほしいと思う。樹皮採取は水を吸い上げる梅雨の頃が適期だそうだ。

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