2016年08月01日付

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「げんしばくだんがおちると ひるがよるになって 人はおばけになる」。子どもなりに精いっぱいの言葉で表現した「あの夏の日」がよみがえっていく▼朗読劇「夏の雲は忘れない」を見た。広島、長崎への原爆投下の惨禍をベテランの女優たちが語り継いでいる。息の長い活動だ。県内は先月、駒ケ根市と長野市で上演された。終戦後、それほど年月を経ずに書かれた子どもたちの手記が中心だ。原爆のすさまじい破壊力や亡くなった人の無念さ、助かっても心身ともに苦しめられる非情さなどを想像し、何度も涙をぬぐった▼地元の子どもたちが出演したのもいい。若い世代に平和のバトンを渡したい。そんな願いが込められている。ステージに立った女子高生の一人は「教科書でしか原爆のことを知らなかったけれど、原爆や戦争の恐ろしさが分かった」と感想を話した。命を奪われたり、傷ついたりした人たちに深く思いを寄せたのだろう。そうして発せられた言葉は力強く、胸を打った▼女優の山口果林さんが「今の日本は穏やかで平和。いつまで維持できるかは、私たちにかかっている。常に昔の人のことを思い続け、今を生きることが問われている」と語ったのが印象に残った。そのためには学ぶことが大切だ▼原爆投下、ソ連の満州(現中国東北部)侵攻、終戦…。決して忘れてはならない日が続く。戦後71年目の「回想の8月」が始まった。

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