2020年6月25日付

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朝の通勤路。前方の横断歩道を渡った小学生がこちらへ振り返り、ぺこりと頭を下げた。遠距離通いの車中は疲労感との闘いを強いられるが、子どもたちの元気な姿が梅雨の気だるさごと吹き飛ばしてくれる。「止まって良かった」から始まる1日は、前向きな心持ちでいられるものだ▼信号のない横断歩道を歩行者が渡ろうとするとき、車両運転者には減速、停止する義務が生じる。本来は「止まらなくてはならない」ということ。しかしこのルール順守が難しい▼JAF(日本自動車連盟)が昨年行った実態調査で、全国の車両約9700台の横断歩道における停止率は平均17%だった。昼間の調査で運転者の視界に支障はなく、あきれるほど残念な結果。歩行者保護が交通安全の重要課題であることを再認識した▼一方で誇らしい数値も。長野県は停止率68%で都道府県別トップに立ち、2位に16ポイントの大差をつけた。理由には諸説あろうが、歩行者の礼儀正しいおじぎが一因ではとの思いに至る。交通弱者と心を通わせた運転者には優しさが根付き、継続的な停止行動を呼び起こすのではないか▼進行方向に横断歩道が迫る中、運転者がすべき備えは何だろう。歩行者がいないか目視し、アクセルペダルを踏む力を緩めて停止できるようにする。薄暮時はライト点灯で車両の存在を伝える。自ら悲惨な事故は起こさないと心に誓い、ハンドルを握り直す。

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