2020年6月27日付

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高校に入学して最初の難関は応援練習だった。玄関前に整列して声を振り絞る。規律厳しく、学ラン姿の先輩が竹刀を打ち鳴らして列間を歩く時の怖さったら。指一本も動かせない緊張がみなぎる。同時に本学の生徒となった実感と誇りも湧いた▼習った校歌と応援歌は身に染みていて、同窓生が集えば老若男女がともに肩を組んで大合唱で締めくくる。この連帯感が日常を生きる心強さも与えてくれる。しかし昨今、この良き伝統の継承も危いかもしれない情勢にある▼あらゆる施設が感染症防止策に知恵を絞っている。が、中にはちょっと驚きのルールも。娯楽の施設で「不要な会話は控えて」とか、悲鳴もウリの遊園地で「大声を出さないで」とかなかなか実践が難しい。真の有効策が分からないまま対策の強化を求められる事業者の苦心ぶりがうかがえる▼市井の神経もとがる。互いの目をはばかり、配慮のない行いをけん制し合う風潮が常となるかもしれない。人との距離は離れて、でも会話は密やかに―とこれまた難題。画一的な方策の順守より、その手立てが果たして理にかなっているかを見極める冷静さももちたい▼先の富士見町議会で議員の質問から、「新型コロナで生活に困窮している人にほど支援の情報が届きにくい」実態が明らかになった。こちらは“密”なケアが不可欠。行政には全力で大声を張り上げてのPRをお願いしたい。

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